そもそも免疫って何?免疫力をあげるためにしたい7つのこと

「免疫力を上げて健康に過ごしたい。」「病気にならないためにも免疫力をアップしたい。」そんなあなたにそもそも免疫とは何かという解説と共に、免疫力をあげる7つの作戦をお伝えします。(細かいメカニズムは不要です、という方は、目次からメソッドに飛ぶこともできます。)

身体の免疫システムは二段構えになっている

「免疫」とは、読んで字のごとく「疫病」を免れることです。病原体の感染から身体を守る仕組みを指します。その免疫の仕組みは大きく2段階に分かれています。

第一段階:防御・・・粘膜免疫

体に「ウイルスや細菌(=敵)を侵入させない」。日々の生活で、体内にはウイルスや細菌、花粉などの“ 異物” が絶えず侵入しようとします。しかし、これらの異物を“ 侵入” させないように私たちの体を守っているのが「粘膜免疫」です。

目、鼻、口、腸管などの粘膜で粘膜免疫が行われています。ここで異物が粘膜を介して体内に入るのを防ぎ、体外に出してしまうことで感染を防ぎます。身体の中に入ってこない門番のような役割をしているといって良いでしょう。

第2段階:攻撃・・・全身免疫

白血球の分類

病原体が「粘膜免疫」を突破して体内に侵入し、増殖してしまった状態が「感染」です。体に侵入したウイルスや細菌に対しては、第2段階の「全身免疫」が働きます。全身免疫のシステムでは、免疫細胞が病原体を捕えて、排除するよう働きます。

この免疫細胞と白血球のことです。ばい菌や病原菌はリンパ球以外の細胞、好中球マクロファージが食べて、膿が出ます。転んで怪我をしたとき白い膿がでる理由がこれに当たります。これが「自然免疫」と呼ばれるもので、全身免疫の最初の働きです。

また、ウィルスは血液中を流れたり細胞の中に入り込んだりします。そうなると好中球マクロファージはうまく処理できません。そこで登場するのがリンパ球です。リンパ球の一つであるB細胞がウィルスに対する抗体を出します。また、キラーT細胞という別のリンパ球がウィルス感染した細胞を攻撃します。この働きを「獲得免疫」と呼びます。

獲得免疫系の4つの特徴

特異性・・・はしかにかかった人は2度はかかりません。しかしおたふく風邪にはかかってしまいます。免疫の基本はその病原体、特定のウィルスにたいして効果があります。すなわち「狙い撃ち」するのです。これが特異性という特徴です。

多様性・・・どんな病原体にたいしても狙い撃ちできる免疫細胞が、身体に用意されていきます。はしかを攻撃できる免疫細胞、天然痘を攻撃できる免疫細胞など極めて多くの種類があります。いろんな異物に反応できることを免疫の多様性といいます。新型コロナウィルスにBCGワクチンが効果があるかも?という話はこの免疫の多様性のおかげでしょう。

自己寛容・・・免疫系には自分の身体の成分と異物とを見分ける仕組みがあります。自己非自己の認識といいます。自己成分に対して攻撃しないことを、自己寛容といいます。これがうまくいかないのが膠原病、リウマチなど自己免疫疾患という病気です。筆者が以前かかったことのある「原発性胆汁性胆管炎」も自己免疫疾患の一つですこの自己寛容、自己免疫疾患については、後ほど詳しく説明します。

免疫記憶・・「今年はインフルエンザにかかったから、もうかからない。」そのような話をきいたことはないでしょうか?私達は1度目の感染時にウィルスを攻撃した細胞(活性化T細胞)が免疫反応して病原体を抑えます。その攻撃した活性化T細胞の一部はメモリーT細胞となって身体に残るのです。再度同じウィルスが入ってきたとき、そのメモリーT細胞はすぐに活性化して攻撃します。

一度退治したウィルスの退治する方法を覚えていて、再度入ってきたときに、やっつけることができるのです。インフルエンザに毎年かかってしまう人がいるのは、型が違うからです。コロナウィルスも何種類かの型があるそうです。中国で再感染が起こっているのは、最初の流行と、次に流行しているのは型が違うからではないかと考えられます。

免疫は攻撃だけではなく抑制も働く

免疫系は、細菌、ウイルス、がん細胞などの多様な病原体を排除して身体を守るように高度に進化したシステムです。それを免疫応答と言います。免疫応答が過剰になる場合が2つあります。身体に入ってくる異物に過剰に反応してしまう場合身体の異物ではなく間違って自分の一部を攻撃してしまう場合です。

前者が花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギで後者が膠原病やリウマチなどの自己免疫疾患です。制御性T細胞(Treg細胞)が免疫の抑制をする働きがあります。攻撃しようとした場合、この制御性T細胞が「攻撃をやめなさい」と命令するのです。アレルギーや自己免疫疾患の場合、この制御性T細胞の働きが弱いです。ですから治療は、免疫を抑制する薬(副腎皮質ステロイドやその他の免疫抑制薬)が使われます。

免疫力アップ作戦:7つの方法

免疫の仕組みを理解出来ましたでしょうか。実はわからなくても問題ないです。免疫を上げる方法を知って実行すれば、免疫力は上がるのですから。以下7つの項目を免疫力アップ強化作戦としてご紹介します。

免疫力アップ作戦①適度な運動をする

運動する適度な運動が免疫の働きを高めるために効果があります。運動不足を解消すると免疫力は向上します。しかし、過剰な運動は免疫力を下げます。運動量が非常に多いアスリートは、風邪を引きやすいのです。

早稲田大学スポーツ科学学術院の赤間高雄教授が、IgA値に注目した調査をしました。IgAとは風邪などのウィルスが粘膜に侵入するのを防ぐ免疫物質です。284人の高齢者(平均年齢71才)を対象に1日の歩く歩数を4つのグループに分けてどのグループが一番速く免疫物質IgAが分泌したかを調べました。

その結果、上から2番め(5968〜7643歩)が一番だったそう。そのデータから考えると、目安として1日7千歩というのが免疫力を高める運動と言えそうです。感覚としては、自分で気持ちいいなと思う程度がちょうどいいようです。

また20代、30代などの若い世代の人たちは短時間で高い強度の運動をすることもいいと立命館大学スポーツ健康科学部の田端泉教授は言っています。高血圧など基礎疾患のない人向けになりますが、1日4分だけでも効果があるそうです。基礎体力などには個人差があるので、ご自身で加減してみてください。

免疫力アップ強化作戦②食事に気をつける

日本にはむかしから馴染みのバランスがあります。それは「まごわやさしい」です。

  • ま・・・豆(豆類)
  • ご・・・ごま(種子類)、ナッツも含む
  • わ・・・わかめ(海藻)
  • や・・・野菜
  • さ・・・さかな
  • し・・・しいたけ(きのこ類)
  • い・・・芋(イモ類)

肉や炭水化物に偏り過ぎずに、上記のものをまんべんなく食べましょう。身体の機能が整い、免疫力も向上します。

腸内細菌を整えて免疫力アップ!

大腸には約1,000種類100兆個の腸内細菌が生息しています。人の腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、どちらでもない日和見菌の3種類が存在しています。善玉菌が優勢な腸内環境は病原菌の感染を予防します。善玉菌の割合を増やすには2つの方法があります。

  1. 活きた善玉菌「プレバイオティックス」を直接摂取する方法
  2. 腸にある善玉菌を増やす作用のある「プレバイオティックス」を摂取する方法
  1. はヨーグルトや納豆、漬物のなどの発酵食品に含まれています。
  2. はオリゴ糖や食物繊維で野菜類や果物、豆類に多く含まれます。

免疫力アップ作戦③身体を冷やさない

東洋医学を取り入れた運動療法や、食事療法で定評のある医学博士の石原結實先生によると体温が1度下がると免疫力が30%下がると言われています。食べるものによって身体を温めることは可能です。反対に食べ物によって身体を冷やしてしまうこともあります。以下に身体を温める食材、冷やす食材をまとめましたので、それらを参考に日々の食事を意識してください。

身体を温める食材根菜類(人参・れんこん・生姜・ネギ・ごぼうなど)
魚(サバ・マグロ・鮭・カツオなど)
発酵食品(みそ・醤油)
身体を冷やす食材夏野菜(トマト・きゅうり・ナスなど)
白砂糖・白米など精製された食品
コーヒー・緑茶などのカフェインの入った飲み物
牛乳・バターなど乳製品
食べるもので身体を温めることもできるし、冷やすこともできます。

白湯を飲むだけでも身体は温まります。スープなどを飲む際に、保温力があり大腸の働きを良くするエクストラヴァージン・オリーブオイルを足すと胃腸の冷えに効果があります

また、にんにくには「アリシン」という免疫力を高めるとともにビタミンB1、B2の吸収をアップさせる機能があります。(ビタミンB1・・・体内の糖質の活性化を促します。ビタミンB2・・・代謝を促進し、細胞の活性化を促します。)

ぬるめのお風呂に入る

38〜40度のお湯に浸かると身体の芯から温まります。それ以上熱いお湯に入ると、身体の表面だけが熱くなり、すぐに冷えてしまいます。ぬるめのお湯にゆっくり入ることで身体の筋肉が緩み、リラックスできます。その結果、自律神経の副交感神経が優位になり、昼間活動して優位になった交感神経とのバランスが取れます。自律神経のバランスがよいと免疫機能は高まります。

免疫力アップ作戦④鼻の潤いを維持する

粘膜免疫のメカニズムでお話したように、鼻から病原体が入って来ます。その鼻の粘膜が乾燥していたら、病原体の侵入を防ぐことは出来ません。室内が乾燥している場合は加湿器を使用して、鼻の潤いを維持しましょう。また顔や手を洗うとき、鼻うがいするのも有効な手段です。鼻粘膜炎症になる可能性を下げる効果があります。また、鼻の内部に付着した細菌などを洗い流すことで免疫システムの負担を減らします。筆者も毎日鼻うがいをしています。

免疫力アップ作戦⑤水を多く飲む

水分を補給することで得られるメリットは3つあります。1つは鼻や喉の粘膜の乾燥を防ぐことができます。口が乾くと細菌が繁殖していきます。2つ目は水を飲むことで血液がサラサラになります。先程話したように免疫細胞というのは白血球の中に存在します。白血球が動き回れるように血液はサラサラにしておく必要があるのです。血液の流れは食べ物の影響の他摂取する水の量にも影響します。

3つ目は代謝をスムーズにさせることができるということです。自然免疫、獲得免疫などで破壊した細胞を身体の外に出すには、代謝というシステムを使います。水を飲むことで壊れた細胞(=老廃物)をスムーズに代謝し、尿として排出されます。排尿が少ないと代謝されずに老廃物が溜まります。しっかり水を飲んで、免疫機能を高めましょう。

免疫力アップ作戦⑥よく笑う

1995年3月に日本医科大学リウマチ科の吉野槙一教授は病院の一室に寄席を作り、落語家の林家木久蔵(現・林家木久翁)さんをお招きして実験を行いました。それは重度のリウマチの女性患者さん26人に1時間落語を聞いてもらうという実験でした。

落語を聞く前後に採血して、炎症を度合いを示す免疫にも関係する生理活性物質の「インターロキシン6」を調べました。その結果、落語を聞いた後、26人中2人が「インターロキシン6」の数値が大幅に下がりました。正常値の10倍あった人が正常値にまで下がった例もあったそうです。笑う門には福来たる、というように笑って免疫力を上げて健康でいることが肝要です。

免疫力アップ作戦⑦体重を管理する

健康を保つ為に体重を管理してキープします。正確にいえば、体重というよりどれだけ筋肉があるか、どれだけ脂肪があるかが問題です。例えば、体重55kg体脂肪率25%の人と体重55kg体脂肪率40%の人では肥満度合いが違います。だから体重だけでは安易に判断できないのです。

筋肉がどれだけあるかという指標として「除脂肪体重」があります。体重から脂肪を減らしたものが筋肉と骨、内臓、血液などの重さになります。骨や内臓の重さはあまり増減しません。だから除脂肪体重により筋肉が増えたのか減ったのかを確認することができます。

まず、脂肪の量を計算し、それを体重から差し引きます。それが除脂肪体重です。

脂肪の量(kg)=体重(kg)×体脂肪率(%)

除脂肪体重(kg)=体重(kg)-脂肪量(kg)

例えば、男性で身長170cm、体重64kg,体脂肪18%と25%をみてみましょう。

体脂肪率18%体脂肪率25%
脂肪量64kg×18%=11.52kg64kg×25%=16kg
除脂肪体重64-11.52=52.48kg64-16=48kg
除脂肪体重/身長52.48kg÷1.7m=30.8kg/m48kg÷1.7m=28.2kg/m

体重を計ったときに、このような計算も一緒にすると、脂肪と筋肉の量も確認できます。

この除脂肪体重は身長で割ったもので評価します。標準は男性31㎏/m、女性25㎏/mです。痩せていても、太っていても筋肉が少ない場合はこの数値より少なくなります。多い場合はアスリート体型で筋肉を付けていると言えるでしょう。

家にいる時間が多くなると、エネルギー消費量が少なくなります。1で紹介したように軽い運動をしつつ、食事でコントロールすることも大事です。

短時間で心拍数を上げる運動:トランポリン

筆者は1の後半でご紹介した短時間で心拍数をあげる運動をしています。それはトランポリンです。実際に跳んでいる動画がありますので、御覧ください。

朝、トランポリンを跳ぶ前にサイリウムという食物繊維のパウダーを水に溶かして飲んでいます。その結果、毎朝お通じが出ます。便秘や下痢をしていないことは腸内環境が良い証拠です。自宅で気軽に運動して腸内環境も改善したい場合は「サイリウム+トランポリン」は効率よい方法です。

筆者の使っているトランポリンです

まとめ

免疫は鼻・喉などで病原体をシャットアウトする「粘膜免疫」と入ってきた病原体を攻撃する「全身免疫」があります。「全身免疫」の中に「自然免疫」と「獲得免疫」があります。病原体の攻撃に合わせて、人間の身体は何段にも構えて戦っています。

また免疫力アップ作戦は以下の7つです。

  1. 適度な運動をする
  2. 食事を気をつける
  3. 身体を冷やさない
  4. 鼻の潤いを維持する
  5. 水をよく飲む
  6. よく笑う
  7. 体重を管理する

今回免疫にフォーカスを当てて書きましたが、上記7つは健康でいるためにも不可欠なものばかりです。言い換えれば、免疫力をアップするために心がけていれば、健康でいられるということです。日々これらのことを実践して、いつまでも健康で過ごせるようにしましょう。

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80歳まで持病0を目指す「50歳からの体調改善研究所」所長です。 小さい頃は幼稚園に馴染めずに泣いてばかりいました。 小学校では九九は居残り、運動会でのかけっこはビリケツでした。 でも、中学高校と陸上部で高校は2年400m,3年200mと 連続でインターハイ出場することができました。 ところが、19歳に統合失調症にかかりました。 しかし、「一生飲んでください」といわれた向精神薬を47歳でやめました。 また国の難病指定である「原発性胆汁性胆管炎」を1年で治したこともあります。 他に、自律神経失調症、更年期障害、うつ病も克服しました。 アレルギーと副腎疲労症候群は改善中です。 愛する彼と社交ダンスを踊るのが、なによりも大好きです。