【アメリカ発】慢性的な疲れとサヨナラするために。試してみたい3つのアプローチ!

「疲れた・・・。」気がつくとそう思っていませんか?養命酒製造株式会社が2018年6月に東京で働くビジネスパーソン1,000名を調査したところ、約8割が慢性的に疲れを感じているのだそうです。疲れていると気分も落ち込み、体調も優れなくなります。疲れの慢性化はうつ病などのメンタルな病気にも繋がり、深刻な問題になっていきます。


「疲れ」とはどういうものなのかを解説するとともに、研究最先端のアメリカで勧められている「疲れの改善策」も含めて最新情報を紹介します。

「疲れ」は体からのSOS!

肉体的、または精神的に負担がかかり、体の機能が低下している状態が「疲れている」状態と言えます。「疲れ」というのは体からのサインです。他に体からのサインとして「発熱」や「痛み」があります。同じように「疲れ」も「これ以上、負荷をかけると身体に害が及びますよ!」というアラームです。

生き物として生命を維持するためのSOSだと言えます。疲れを感じることは「体と心を休めてください」という体内からの警告メッセージなのです。

「疲れ」は大きく分けて2つある

疲れは大きく2つに分類されます。1つは「末梢性疲労」で、体を動かして疲れが出るタイプです。肉体的に疲れた場合を指します。運動したあとの疲労感がこれに当たります。「末梢性疲労」の場合は充分な休養と栄養をとることで回復することができます。

もうひとつの疲労が「中枢性疲労」です。こちらは精神的な疲労を指します。ストレスや緊張状態が続く時に疲れを感じるのはこちらのタイプです。例えば、スポーツをして疲れた場合、体は重いけど気分はスッキリしています。しかし体を使っていなくても、長い会議や気の乗らない人とのお付き合いは終わった後にどっと疲れを感じることがあります。これが「中枢性疲労」です。主に脳が疲れを感じているのです。

また、あれこれ考え事をしているだけで疲れてしまうことがあります。これも脳が疲労を感じた結果です。

「疲れ」のメカニズムについて

疲れは5つのストレスが最初のきっかけになるといわれています。

1精神的ストレス・・・人間関係

2身体的ストレス・・・過度な労働、スポーツも含むオーバーワーク

3物理的ストレス・・・紫外線、騒音

4科学的ストレス・・・化学物質、残留農薬

5生物的ストレス・・・ウィルス、細菌感染

この1つまたは複数のストレスがきっかけとなって、心身に負担がかかると次のような症状が出てきます。

副交感神経機能の低下

脳に「大脳辺縁系」という場所があります。大脳辺縁系は自律神経に関与している場所です。自律神経交感神経(緊張状態で優位になる神経)と副交感神経(リラックスしている時に優位になる神経)があります。

強いストレスを感じると、大脳辺縁系は自律神経のバランスが崩れます。交感神経が過剰となり、副交感神経の機能が落ちるのです

たとえば、心電図を使った調査によると、健康な人目を閉じて安静にすると交感神経:副交感神経=1:1になります。しかし、慢性疲労の場合は交感神経が副交感神経の数倍高いままだそうです。また、健康な人は寝ている時、副交感神経が3倍になりますが、慢性疲労だと上昇しないそうです。

酸化ストレスの増加

ストレス処理のため、脳は大量に酸素を使います。酸素が使われたとき、活性酸素が発生します。通常は、その活性酸素に対して、抗酸化作用で対抗します。しかし、その活性酸素が多くなり、抗酸化で防御する力が足りなくなるとバランスを欠いた状態になります。それが酸化ストレスです。疲れを感じると、血液中の活性酸素の数が増えることが実際の調査で明らかになっています。

修復エネルギー産生の低下

人間のみならず、生物の細胞は、糖を燃焼してATP(アデノシン三酸リン酸)を生産します。このATPは、「エネルギー通貨」として細胞が生きるために使うものです。ストレスがあるとATPやATPを生産する筋肉中のクレアチンリン酸、あるいはグリコーゲンが減少します。そうすると、ATPの生産される量が減ります。エネルギー通貨であるATPが減るのですから、疲労感が増すことになります。

サイトカインによる炎症と神経伝達機能の抑制

サイトカインとは主に免疫系細胞から分泌されるタンパク質のことです。酸化ストレスを解消するために「インターフェロン」と呼ばれるサイトカインが分泌されます。インターフェロンの活躍で酸化ストレスが抑えられます。しかし、インターフェロンは「セロトニン」という神経伝達物質まで押さえつけてしまうのです。

「セロトニン」は心の安定、安心感、平常心などを生み、直感力を上げる効果もあります。またストレスに対抗する力を持っています。そのセロトニンがインターフェロンによって、抑制されてしまうのです。疲れのきっかけとなるストレスに対抗するために必要なセロトニンが減れば、結果として疲れている状態が続くことになります。

慢性的な疲れには3つのアプローチは「睡眠」・「栄養」・「リラックス」

アメリカで紹介されている最新の疲労回復のためのアプローチを、「睡眠」・「栄養」・「リラックス」の3つのジャンルに分けてご紹介します。

1.睡眠

慢性的な疲れは脳の疲労だと前述しました。「最高の休息法」によると、眠ることは脳の洗浄をすることだそうです。睡眠時のマウス脳内を観察すると、脳脊髄液をいう洗浄液がより多く取り込まれていました。その洗浄液がアミロイドβタンパク質という脳の疲労物質を洗い流してくれるのだそうです。

また、私達の体が寝ている間に回復するのは「成長ホルモン」と「メラトニン」という2つのホルモンのおかげです。

成長ホルモン

「成長ホルモン」は脳の下垂体という部分から分泌されるホルモンです。成長ホルモンは子供だけではなく大人にも必要なホルモンです。

筋肉の修復や疲労回復、体の調子を整える、精神状態を安定させる、若さを保つ、などの効果があります。この成長ホルモンは、入眠時3時間特に最初の90分の「ノンレム睡眠」という深く眠ったときに多く分泌されます。疲れを取るためには浅い眠りではなく、ぐっすりと眠ることが大事です。

メラトニン

メラトニン「アンチエイジングホルモン」として最近注目を浴びています。メラトニンが分泌されることでぐっすり眠れて成長ホルモンは出やすくなります。

メラトニンの原料となるのは、「トリプトファン」というアミノ酸です。赤い肉・アーモンド・大豆・ブロッコリー・卵にも多く含まれています。また、メラトニンの分泌を妨げるものは明るい光、カフェインです。

良い睡眠を得るために

毎日同じ時間に寝る

体内時計を一定に保つことでホルモンが一定に分泌して眠りやすくなります。

40度前後のお風呂にゆったりと浸かる。または半身浴をする

体を緩めることで疲れが取れ、副交感神経が優位になります。また、お風呂で温まった体の体温が入浴後下がる時に眠くなります。そのタイミングで布団に入る習慣をつけると気持ちよく眠りにつくことができます。

夜はお風呂に入らないでシャワーだけ、という習慣の人は湯船に浸かるという習慣に変えてみることを検討してみてください。

・寝る前の時間、部屋の照明を落とす

蛍光灯(白い強い光)より白熱灯(オレンジがかった柔らかい光)はメラトニンの分泌を促します。また間接照明も効果的です。理想は「ホテルの部屋の明るさ」というと想像が付きやすいかもしれません。

・寝る前にブルーライト(パソコンやスマホなど)を見ない

刺激を減らすことでメラトニンの分泌を促します。例えばお風呂に入ったあとにはスマホを見ない、という習慣をつけることで、リラックスした状態で眠りにつくことができます。

・日中活動的に動く

デスクワークで座りっぱなしの生活をしていると、疲労が蓄積します。少しでも運動することが疲労軽減になります。エレベーターを使わずに階段を使うなど日常の中で体を使うように工夫しましょう。

・休日に夜ふかし朝寝坊しない/長時間昼寝しない

睡眠のリズムを狂わせます。平日に溜めた寝不足を解消するより、日々溜めない工夫をすることが大切です。

・頭に浮かぶ不安や心配事を紙に書き出す

なかなか寝付けない場合に有効です。頭の中にあるものを「見える化」するだけでも気持ちが落ち着き、寝付きやすくなります。

2.栄養

精製された炭水化物を多く摂りすぎない

精製された砂糖(いわゆる白砂糖)や白米・小麦は血糖値を急激に上げます

急激に上がれば急激に下がります。血糖値が上がったときにはセロトニンやドーパミンという幸せを感じる脳内分泌ホルモンが出ます。しかし、その後血糖値が急降下すると、アドレナリンが出ます。

「アドレナリン」は「闘争や逃走のホルモン」です。戦いモードになり、心拍数・血圧が上がります。イライラして集中力が欠けてしまいます。疲労のメカニズムでお話した自律神経が「交感神経優位」な状態となり、疲れの原因となります。

血糖値を上昇の程度の示す数値としてGI値というものがあります。急激に血糖値を上げるものはGI値が高く、緩やかに上げるものはGI値が低いです。

白砂糖・小麦粉・白米など精製された炭水化物はGI値が高めです。精製されていないもの、黒砂糖や玄米、全粒粉などはGI値が低いです。一日に何度もGI値の高いものを食べて、血糖値を乱高下することは、疲れに直結します。多く摂りすぎないように気をつけましょう。

エネルギー不足に注意する

「あなたは食べたものでできている(You are what you ate)」という言葉があります。忙しいからと言って食事を抜いたり、簡単なもので済ませたりすると、エネルギーが不足します。また、簡単に食べられるコンビニ食などは「エンプティーカロリー」と呼ばれ、カロリーはあるものの、調理工程で栄養が大幅に少なくなっています。充分なカロリーを摂取するとともに、不足しがちなビタミン・ミネラルの摂取を心がけましょう。

カフェインに注意する

疲労回復に、ドリンク剤やエナジードリンクを飲む人もいるでしょう。ドリンク剤やエンジードリンクを飲むと元気になります。それは、①大量の砂糖が含まれている②大量のカフェインが含まれているという2つの理由があるからです。しかし、砂糖とカフェインの効果がなくなると飲む前より疲れを感じる場合があります。

アメリカの41の臨床試験において、エナジードリンクを飲んで数時間後に覚醒し元気がでたものの、翌日は過度の日中の眠気が多く報告されています。砂糖とカフェインによって先取りして元気を引き出すと、その後に「ツケ」が回ってきます。またコーヒー等の少量のカフェインも午前中のみ摂取するという工夫をすることで疲れを減らすことができるでしょう。

充分に水分補給をする

人間の体は尿・排便・汗・呼吸で水分を失います。その失われた同じ量の水を飲まないと脱水状態になります。体内の1%が失われると喉の乾きを感じます。更に脱水することで疲労を感じ、集中力が落ちます。

お茶やコーヒーはいつもカフェインと摂っている場合、利尿作用は少ないというアメリカの最新のデータがあります。カフェインの入っている飲み物を水分としてカウントすることは可能です。しかし、カフェインをたくさん飲むことは睡眠を妨げるに原因になるので注意が必要です。

また清涼飲料水は大量の人工甘味料が含まれています。人工甘味料は、精製された砂糖以上に血糖値を急激に上昇させます。水分は補給できますが、体に大きく負担を掛けます。清涼飲料水は飲むのを避けたほうがいいでしょう。なるべく「水」を摂取して、睡眠に影響が出ない程度にカフェインを飲むことは理にかなってくるかもしれません。

どのくらいの量を飲んだらいいのか、ということについて、日本の厚生労働省は明確な基準を打ち出していません。IOM(全米医学アカデミー)では男性はコップ13杯、女性は9杯の水を飲むことを推奨しています。

抗酸化作用のあるファイトケミカルを!

「疲れ」のメカニズムの中で酸化ストレスの増加が原因の一つだと述べました。その酸化を抑えるために効果があるのが、抗酸化作用のあるファイトケミカルです。ファイトケミカルは、炭水化物・タンパク質・脂肪・ビタミン・ミネラルに次いで第6の栄養素を呼ばれています。野菜や果物のカラフルな食材に多く含まれている、というと理解しやすいかもしれません。簡単な例に挙げてみます。


・・・リコピン、カプサイシン

例)トマト、唐辛子

・・・クロロフィル

例)モロヘイヤ

黄色・・・βーカロテン、ルテイン

例)人参、かぼちゃ

・紫・・・アントシアニン

例)ぶどう、ブルーベリー


他にも多くの野菜や果物、また、ハーブにも含まれています。毎日の食卓に積極的に摂り入れましょう。

3.リラックス

瞑想でリラックスを!

リラックスすると、副交感神経を優位にすることができ、疲労軽減に繋がります。リラックス方法は先に述べた半身浴や、マッサージを受ける、アロマオイルを焚くなどあります。ここでは、瞑想の一つ、マインドフルネス呼吸法をご紹介します。


1.基本姿勢を取ります

椅子に座ります。背中を軽く伸ばし、背もたれから離れます。

お腹はゆったりとさせます。手は太ももの上に起き、足は組みません。

目は閉じます。

2.体の感覚に意識を向けます

足の裏と床、お尻と椅子、手と太ももといった接触している部分を感じます。

体が地球に引っ張られているような重力を感じます。

3.呼吸に注意を向けます

呼吸に関する感覚を意識します。

具体的には、鼻を通る空気、呼吸する時の胸やお腹の上下、呼吸と呼吸の切れ目、

それぞれの呼吸の深さ、吸う息と吐く息の温度の違い、などです。

意識して呼吸をコントロールは必要ありません。

自然と呼吸がやってくるのを待ちます。

呼吸に「1」「2」と番号をつけるのも効果的です。(「ラベリング」といいます)

4.もし雑念が浮かんできたら

雑念が浮かんできた事実に気がついて、注意を呼吸に戻します。

雑念は生じて当然です。自分を責めるのは止めましょう。


最初は3分または5分から始めてみましょう。同じ時間同じ場所でやると習慣になりやすいです。また、瞑想することにより、睡眠の質も向上するというデータもあります。

まとめ

  • 疲れは、体からのSOS!
  • 疲れが、体を使って疲れている場合は「末梢性疲労」、そうでない場合は「末梢性疲労」。
  • ストレスがきっかけで疲労は蓄積していく。
  • 疲労とサヨナラするためには、上手に睡眠を取り、体に負担のかける食べ物を避け、瞑想などでリラックスしましょう。

今までの習慣を変えることは難しい場合もあります。しかし、疲れたままでは良いパフォーマンスはできません。疲れをとるためにできそうなことから取り組んでみてください。

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80歳まで持病0を目指す「50歳からの体調改善研究所」所長です。 小さい頃は幼稚園に馴染めずに泣いてばかりいました。 小学校では九九は居残り、運動会でのかけっこはビリケツでした。 でも、中学高校と陸上部で高校は2年400m,3年200mと 連続でインターハイ出場することができました。 ところが、19歳に統合失調症にかかりました。 しかし、「一生飲んでください」といわれた向精神薬を47歳でやめました。 また国の難病指定である「原発性胆汁性胆管炎」を1年で治したこともあります。 他に、自律神経失調症、更年期障害、うつ病も克服しました。 アレルギーと副腎疲労症候群は改善中です。 愛する彼と社交ダンスを踊るのが、なによりも大好きです。